ヌノメカワニナの温度耐性

文献メモ;要約のみ仮訳です。

Mitchell AJ, Brandt TM (2005) Temperature tolerance of red-rim melania Melanoides tuberculatus, an exotic aquatic snail established in the United States. Transactions of the American Fisheries Society 134: 126-131.*1


要約: 熱帯原産の侵入種ヌノメカワニナ(トウガタカワニナ科)はアメリカ合衆国に定着し,分布を拡大している。この種の分布拡大は,在来の巻き貝個体群との置き換わりや吸虫の感染などの点から注目されている。特に魚類の鰓に寄生する吸虫(Centrocestus formosanus)は今や養殖場や自然界の魚類から発見されている。このカワニナは,亜熱帯の池,フロリダやテキサスの水温が安定した湧水,そしてアメリカ西部や中西部の地理的に温度の高い水界で通年生息している。このカワニナの温度耐性についての知見は,北米におけるこの種の潜在的な分布域を予測し,この種の分布拡大を防ぐための能力を増やすだろう。実験室における一定温度条件では,1日間なら5℃,2日間なら9℃,8日間なら11℃,12日間なら13℃,で殻高15-25mmのすべてのヌノメカワニナ個体が死亡した。17℃と32.5℃では27日間で10%のカワニナが死亡し,このカワニナの温度生存限界の両端を示していると考えられる。18℃以下あるいは32℃以上に達する水界ではヌノメカワニナは生息しえないだろう。殻高10-20mmのカワニナは40℃では10時間,45℃では20分で死亡した。50℃では4〜5分の暴露により,殻高42mm以下のすべてのカワニナは2分半以内に死亡し,最も小型の殻高1-4mmのカワニナは30秒間生きられなかった。50℃より高い水温への暴露により,漁網などの漁具についたヌノメカワニナは殺すことができる。

実験室と自然河川じゃ条件違うけど、最低水温13℃じゃ冬越ししちゃいそうですね。