みくらの森は生きている

昨日届いた『みくらの森は生きている 巨樹王国、御蔵島からのメッセージ(改訂版)』を読んでみる。

全体的にとてもカラフルで写真がふんだんに使われており、とかくむつかしくなりがちなこの手の本だが、可能な限り平易で見やすい表現となるような工夫がなされている。

最近流行りのエコツーリズムという言葉は前面に出てこないが、内容的にはエコツーリズムガイドブックといってもよさそうだ。御蔵島名誉村民の平岡忠夫画伯による「はじめに 森と人が関わり合う島 御蔵島」から森の神様、貴重な植物、湿原、巨樹の森、島の生態系、川の生き物、ミクラザサ、島の昆虫、オオミズナギドリ、イルカたち、森の楽しみ方、森の歩き方、と書き進められている。御蔵の森の歩き方のページでは自然の中のフィールドマナーとして「御蔵島エコツーリズムルール」が紹介されている。このルールは東京都と御蔵島との協定に基づいているし、御蔵村自然保護条例や自然公園法が担保となっている。1日あたりの利用人数やガイドあたりの利用者数まできっちりと定められ、自然を敬う基本的なマナーが謳われている。

ここから、島人が語る島の暮らし、時代が感じられるモノクロ写真がよい。木と産業、島の食卓、台風により荒れてしまった森の再生、そして島の巨樹たちの紹介、島の暦と続く。大ジイなどの巨樹は平岡画伯によって描かれている。
また御蔵島への交通手段や宿も紹介されているので、これからこの島に行きたい人にも参考になるだろう。ちなみに宿泊先は事前に予約を入れないと入島できない場合があるとの話しだ。ドルフィンスイムなどで混むことも予想されるので予約は早い目に。

おっと本に挟み込まれている地図を忘れるところだった。御蔵島国土地理院の2万5千分の1地形図でさえも小さいのだが、このフィールドマップがあれば安心。

この本は、平岡画伯、島の人たち、博物館・大学関係などの研究者、エコツーリズムを推進してきた人たちなど御蔵島を大好きな人たちがよってたかって作り上げた本だ。



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